【2019年8月・第2週】お盆の尻別川釣行2日目 大雨のあとに出た大アメマス!
11日の釣りのあと、温泉に浸かりながら明日はどこでやろうかいろいろ考えていた。
帰り際の感じからすると尻別川本流の濁りは明日の朝には抜けているだろうし、アメマスばかりだったけど魚影は濃いように思えた。
ということで明日は尻別川本流に決定!
お盆釣行2日目 尻別川の本流ニジマスやはり難しい
2019年8月12日
お盆の尻別川釣行2日目の第1ラウンドは午前5時40分にスタート。
前日の納竿から約12時間ほど経った尻別川本流はカフェオレ色だった濁りが抜け始め、膝まで立ち込んでもウェーディングブーツが見えるくらいまで透明度が回復していた。
「これは期待できる!」
15フィートのダブルハンドロッドにスローシンクのスカジットヘッド、シンク7のティップ、これにウェットフライ2個付けて実釣開始。
昨日はこのラインシステムで全く問題なかったのだが、今日は根掛かりが連発する。
濁りが抜けただけでなく水かさも減り、その分ラインの着底が早くなっているようだ。
ヘッドをフローティングに変更すると根掛かりは解消されたが底は取れてるのかな?
こんな調子で1時間ほどフライを流し続けたがアタリがない…。
「おかしいな。昨日あれだけ釣れたのに」
尻別川下流域は大物が釣れるのだが、なぜか俺のフライにはヒットしない。
「やってることはそう違いはないのに、なんで釣れないんだろうなぁ?」
水深があり水の押しが強い本流はイントルーダーやチューブフライのような派手でデカいフライのほうがアピール度が高くて魚に見つけてもらえるんだろうな。
ましては今日のようなささ濁りの水色ではなおさらなんだろう。
ウェットフライにこだわりすぎているのかもしれないなぁ。
あいにく今日はチューブフライを入れたフライボックスを持ってきていない。
ウェット用のフライボックスには見よう見まねで作ったしょぼいサーモンフライがいくつか入っている。
「どうせ釣れないんだから試してみるか」とそのサーモンフライを付けてさらに1時間ほど流してみたが反応なしw
いろいろ試行錯誤しているうちに時間はすでに午前8時40分。
「釣れねぇ…。もっと勉強が必要だな。今の俺では歯が立たないw」
雪辱を誓い本流をあとにする。
自然はサインを出している?
第2ラウンドはいろいろ迷った末、支流でやってみることにした。
本流の様子から支流の濁りほとんどないと予想。入渓してみると予想はドンピシャ!
濁りはすっかりと抜け、いつもの清流に戻っていた。
時間は午前9時半、曇り空のおかげか光の感じがちょうど良くなんとも釣れそうな雰囲気が漂っている。
「これは釣れそうだ…」
ロッドはORVISのクリアウォーター8フィート6インチ#4、ラインはSAのスープラWF5、リーダーは2X9フィート、これにフロロカーボン4Xのティペット60cmを付ける。
まずは俺の中で一番実績のあるディアヘアカディス#10で様子を見る。
何度かフライに反応があったが魚が小さいようで食ってくれない。
茶色のディアヘアカディス、マドラーミノーも試してみたがこれらは全くの反応。
ついでにウェットフライ、ニンフも試したが反応なし。
「なに食ってるんだろうなぁ」
ここでふと昨日の本流を思い出す。
「そういえば昨日、セミが流れてたよな」
フライボックスには春に使わずじまいだったセミ(シケーダ)フライが2個そのまま入っている。
「どうせ釣れないんだし、せっかく苦労してタイイングしたんだから使ってみるか」
ニンフ用ロングシャンクのフック#6に巻いたこのセミフライ、1つ巻くのに20分くらいかかったんだよなw
ティペットは4Xのままでセミフライを結びキャスティング。
フライが大きいわりには意外と綺麗にターンしてくれる。
スープラWFはヘッド部分は通常のWFより少し重く、テーパーデザインはスカンジに近いのでそのおかげかも知れない。
10回ほどキャストしていると落下したフライの下に魚が見えたような気がした。
「ん?いるのかな?」
そのポイントからフライを5mほど流してからピックアップ。
フォルスキャストでタイミングを計りながら、さっきより2mほど上流にセミフライをキャスト…出てこない。
「あれ、魚だよなぁ」
何度かフライを落とす位置を変えながら流していると水面が「ボコッ」っと盛り上がり魚が背中を出した。
と同時にフライが消える…!
「食った!」
勝負の時、来たれり!
ちょっとだけ間をおいてからロッドを立てて合わせを入れるとしっかりとした重量感。
とっさに思った、「デカい!」
次の瞬間、その魚は上流に向かいギュンギュンと走り出す。
ティペットは4X、無理に止めたら切れる。
魚を走らせつつも勢いを殺す程度の微妙なラインテンションをかけると魚が止まった。
デカい。先週釣ったブラウンよりもきっとデカい。
止まっている間に静かにリールを巻き魚を寄せるが、寄せると魚は走り出しリールからラインが出ていく。
10分ほどそれ繰り返していると魚が少し弱ったように感じた。
そこで一気にフライラインをリーダーの接続部分まで巻き取ると見えたのは50cmをゆうに超えるでっかいアメマスだった。
「やべぇ、これどうすんの?w」
そう、今日は…タ・モ・が・な・いwww
いつものようにランディングネットがあればこの距離ならネットインするところだが今日はそうはいかない。
ランディングネットの忘れに気づいた昨日は「釣れてから考えるか」と気楽に構えていたが、ここまでデカいとどうしたらいいか戸惑う。
この状況で一番の安全策はなんだ…?
「…じっくり弱らせてからハンドランディングだな…」
Youtubeの海外の動画でダブルハンドロッドのスペイキャスターがアトランティックサーモンの尻尾を手でつかみハンドランディングするのを何度も見ている。
脳内再生余裕www!
あれをやるしかないw
この大アメマス、弱ったように見えたがなかなかしぶとい。デカいだけあって体力があるようだ。
しかし何度も何度もラインを巻きつつ出しつつしているうちに魚との間合いが近づいてきた。
すでにヒットから20分経過している。
そろそろランディングだ…。
魚が走らなくなったのを見計らい浅瀬に寄せ尻尾をつかむ。
しかし!魚体の表面のヌルで手が滑る!
その一瞬のスキを付いてアメマスはバシャバシャと暴れ、川の流れに乗るかのように泳ぎだし、そして川を下り始める!!
「やべえええ!切れる!!!!!」
魚の重さ+流れ、それに加えて魚自身の泳ぎ、ラインを止めたら切れる!
ロッドを完全に寝かしてラインが出るままにし、そしてそれに合わせて俺も走り出す!ww
途中、2回すっ転んだがロッドは無事、魚も付いている。
なんとか川の流れに同調するように走りながらリールを巻き、余分なラインを回収する。
そのまま下っていくと魚が止まった。いや、違う、ラインが岩の間に挟まってしまった!
「あああああ!根掛かったぁあああああ!終わったな…」
大アメマスとの戦い、ついに終わる。勝ったのはどっちだ?
半ば諦めながらラインにかけていたテンションを緩めると根掛かりが外れる。
ちょっとロッドを立てるとまだ重い。
「まだ魚付いてるぞ!」
魚を取り込むには次の浅瀬しかない!
ここまで来るとアメマスはかなり体力を消耗していた。
「泳ぐ」というよりも「流されていく」といった感じだった。
ラインテンションをかけながら川の流れと一緒に下っていき、最終地点と決めていた浅瀬に魚を寄せる。
しかし重すぎて浅瀬に揚げられないww
最後の手段!
ロッドを置き、右手でリーダーを手繰り寄せ、左腕で魚を抱きかかえる。
「やったぁあああああ!」
釣れたのは精悍な顔つきの逞しいアメマスだった。
尾叉長で60cmを超えていたのも嬉しかったが、なによりこの勝負に勝てたことがたまらない!
時計を見るとヒットから30分以上経過、そしてこの魚をかけたポイントから200mほど下流まで来ていた。
うーん、なんというイケメンw
アメマスはカッコいいなぁ!
尻尾は今年の4月に釣った60cmのアメマスに比べて小さかった。
この尻尾だとハンドランディングは無理だよなw
30分以上に及んだ勝負でこのアメマスはだいぶバテていたが、写真撮影を瀬の中でやっていたので体力回復がわりと早かった。
ひとしきり眺めさせてもらったあと、瀬の深みの上流に頭を向けてやり泳ぎだすのを待つ。
1分ほど手の中を漂ったあとスーッと深みへと泳いでいった。
「サンキューサンキュー!ナイスファイト!」
ビッグフライビッグフィッシュ説はある意味正しい
さて…今日の勝負の立役者であるこのセミフライも記念撮影w
セミフライだから釣れた、というわけではなくきっとデカいフライに反応したんだと思う。
4年ほど前、8月の支笏湖でルアーをやっていたときに湖面に落ちたコガネムシをデカい魚が食べているシーンを目撃したことがあった。
その1週間後に尻別川支流でコガネムシのフローティングルアーを使ってみたら40cmくらいのアメマスが釣れたのを思い出した。
きっと同様にビートル系のフライを使っていればそれでも釣れたんじゃないかな。
魚はデカくなると自身の代謝を補うためより高カロリーな大きなエサを食べるようになると何かで読んだ。
小さい虫をたくさん食べるより大きな虫を食べるほうが効率がいい、というような内容だった。
夏は色んな種類の虫がたくさんいるから、大きな虫だけを偏食できる環境にあるんだと思う。
まぁ、時季的な要因はかなり大きいだろう。
雪が残っていた頃は#8フックの大きいニンフは全く反応がなく、#14の小さなニンフに替えたら釣れたもんな。
うーん、フライフィッシングは奥が深いw
ダブルハンドロッドでのスペイキャスティングにハマり、本流の豪快な釣りにこだわりすぎてたな〜。
雄大な流れにフライを流すのは本当に面白い。
でも季節ごとにマッチした魚、フライ、場所、釣り方でやるのも実に面白いものだ!
これまでは「釣れればいい」と思っていたが、今は『マッチ・ザ・ハッチ』にこだわりを持つフライマンが多いというのも理解できる。
今回の釣行でやっとフライフィッシングの何たるかが少しわかったような気がするな。
最後にひと言…
「夏はドライフライ、そして大物を狙うならビッグドライフライだな!」
(本当にわかったのか?w)
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