フライフィッシング

【2021年5月後半】猿払川のイトウがやっと釣れたときのお話

2021年5月第3週 道北釣行の旅、スタート

今年もイトウを求めて道北への釣行が始まった。
夜のうちに国道275号線をひた走り、雨竜から幌加内を抜ける。

明るくなり始めた頃、天塩川にかかる美深町の橋に到着。
一旦車を停め、橋の上から天塩川をのぞくと水の濁りと増水が確認できた。
この冬、道北地方は記録的な大雪でその影響で天塩川には例年以上の大量の雪代が流れ込んでいるようだ。

天塩川の状況が良ければ、猿払川に行く前に攻めてみようと考えていたのだが、この道北釣行の数日間で収まるような増水ではなかった。
天塩川での釣りは諦めこのまま一気に猿払川まで向かう。

猿払川釣行1日目

午前7時ころ、猿払川に到着。
新型コロナの影響で道外からの遠征者の車は少ないようだった。
すぐに釣りができるようウェーダーを履き準備を整える。

とりあえず右岸の土手の砂利道を走りながら釣り場の様子をうかがうと左岸の釣り人がまばらだった。

去年は入れなかったポイントだから行ってみるか。

猿払川下流域の左岸、車での走行は要注意

ポロ沼と狩別川、猿払川の合流点となるポイントへ向かう左岸の土手道は穴あり石あり水たまりありの超デコボコなオフロード。
車をスタックさせないようにゆっくり進む。

途中、何箇所かぬかるみを越えたのだが、いよいよ怪しくなってきたw

この先はこれまで以上のぬかるみで見るからに危険…。
歩くよりもゆっくりな速さで車をおそるおそる進めるとフロントのバンパーまで水に浸かりはじめる。
「これはヤヴァイ!!」

あわててシフトレバーをRに入れて脱出。

「…無理だなw」

途中に車が3台くらい停められるスペースがあったのでそこに車を停める。

「あの水たまり、どれくらい深いんだろう?」

ウェーダーを履いていたので興味本位で深さを確認しに行く。
水たまりの手前に大きな石が3個あり、この先が深そうだった。

一歩ずつゆっくりと歩み進むと一番深い箇所がなんと膝上くらいもあったw

水深60cmくらいですかね~。
あのまま車を進めなくて本当によかった…。

左岸は右岸の土手と違いほとんど整備されていないので、車で左岸の合流点に行こうと思っている人は要注意ですね!
ランクルみたいなデカイ四駆は別として車高の低い普通車は100%アウトですw
※豆知識 すでにご存じの方は多いと思いますが…川の左岸、右岸の判断ですが、川が流れる方向を向いて左手側が左岸、右手側が右岸です

合流ポイントまで行くのを諦め、途中にあった車4台分ほどスペースに駐車、川に立ち込んで竿を振れる場所まで徒歩で移動。
何を隠そうワタクシ、オーバーヘッドキャストが超下手で、スペイじゃないと投げられないのでした…。
16ft #12のダブルハンドロッドをつなぎ、インタミのスカジットヘッドにタイプ3/4のティップ、これにキールタイプのフライを付けて実釣開始。

猿払川下流域は潮の満ち引きの影響をもろに受ける。
それに合わせてイトウが海と川を行き来するらしい。
潮が込んでくる時間帯は川の流れが逆流するためスイングの釣りはできないと考えたほうがいいでしょう。

苦行としか思ってなかった引っ張りの釣りも、支笏湖での修行のおかげで以前ほど苦にならず。

キャスティングを繰り返しながら足元を見ると…なまらデッカイのが泳いでる!

しかし…よーく見てみると…すごく…鱗っぽいです!
どうやらイトウじゃないようですね~。

このポイントで2時間ほど粘ったがアタリなし。
いくつかポイントを転々とするもこの日もイトウに出会えず終了。



猿払川釣行2日目 ついに釣れた3年越しの猿払川のイトウ

2日目、目を覚ますとすでに午前6時w
完全に出遅れたようで、いくつかピックアップしていたポイントではすでに釣り人がロッドを振っている。
サブに考えていたポイントへ行くと偶然にも誰もいない。
今日はここから始めよう。

ロッドはLOOPの旧EVOTEC 15′ #10、ラインシステムはスカジットヘッドの640グレインにTCティップ120グレイン sink2/4、フライは大きめのゾンカー系をチョイスして実釣開始。

前日より風が弱く、いつかかかるだろうを期待しながらキャステイング、リトリーブを繰り返す。、
繰り返す…。
繰り返す……。

釣れねーww

対岸や同じ岸の見える範囲内でも釣れてる気配がまるでない。
3時間竿を振り続けたあたりからさすがに飽きてきた。
「ちょっとキャスティング練習だな~」

ラインシステムはそのままでシングルスペイでキャスティング、高速リトリーブをしていると、いきなりゴンッという手応え!
「え、マジで!?」

ロッドを軽く横にあおるとフッキングしたようで手繰っていたラインを魚が引っ張っていく。
しかしあまりデカそうな引きではない。

あまりやり取りもせず近くまで寄せると銀色の魚体が見えた。
「おぉ、イトウだ!」

ランディングネットに収まったのは60cmにも満たない若いイトウ。
しかし猿払川での初イトウにウッキウキの俺www

ヒレがピンとした傷1つないきれいな魚体。
スケールでさっと測ると57cm、人によっては「イトウとは言わないよ、それw」というサイズかも知れないが3年越しでやっと釣れた猿払川のイトウに感無量!

初イトウくんにお礼を言ってリリース、きっとメーターサイズまで成長してくれることでしょう。

このあと魚っ気が全くなくなり、いつもの釣れないモードに入ってきたのでポイントを移動。
移動先のポイントにはフライマンが2人いたが、かなり間隔が空いていたのでその間に入った。
両サイド50mくらい空いてるので俺のような下手くそが入ってもあまり影響はないだろう。

このポイントで暗くなるまで粘ったが釣果なし。
しかし左右にいたフライマン、さらにあとから来たフライマンがイトウをかけていたのでポイント選びは間違いではなかった。
俺だけ釣れなかったのは腕のせいということだww

遠目だったのでどんなフライパターンはわからないが、猿払川のイトウ釣りをだいぶ勉強させてもらった。
きっとこれからは釣れるぞ…w




猿払川釣行3日目、アクシデントで終了w

釣る気満々で挑んだ3日目だったが、河原に生えていたヨシで右手小指をざっくりとカット。
傷口がぱっくりと割れ、血が止まらないwww

小指が効かないためロッドを保持できず、まともにキャスティングができない…。

3泊4日の予定だったが、ここで終了のようだ…。

アクシデントで終わった春の猿払川釣行だったが、かなり得るものがありそこそこ満足しながら帰路のつくのであった。
そのうちきっとデカいのが釣れるに違いない!

猿払川のイトウ釣りのヒント?

最後に今回の猿払川のイトウ釣りでいくつか得た経験などをまとめておきましょうw

オーバーヘッドキャストを覚えましょうw

猿払川、ポロ沼にはたくさんポイントがありますが、『イトウの聖地』というだけあって釣り人が多い。
釣り人が多くなると立ち込めるポイントに入れなかったり、立ち込むことで他の釣り人の迷惑になることもある。
オーバーヘッドキャストもできると河原からも釣りができるので、ポイント選びに困るということが少なくなるでしょうw
…はい、練習しますw

ラインバスケット(またはラインパレット)は必須

「俺はラインバスケットなんか使わない、美しくないから」という変なこだわりを捨てましょうw
猿払川のほとんどのポイントはヨシがびっしりと生えているので、手繰ったラインをそのまま落とすと絡まります。
また潮汐の関係で水面を漂うゴミが多い。
時季によってはトロロ藻も生える。
ウェーディングするしないにかかわらずラインバスケットを使うとトラブルが激減します。
ラインバスケットもラインパレットも買うと高いので自作がおすすめ。
俺のラインバスケットはプランターのプラスチックの鉢だし、ラインパレットは風呂マットですw
見栄えにこだわる人は…高いの買ってくださいw

必ずしも沈めなきゃならないというわけではない

以前はほぼベタ底まで沈めてからリトリーブしていたが、俺はこれでは釣れなかった。
今回、たまたまかも知れないが着水と同時にリトリーブし、これにイトウがヒット。
どのマス類にも言えることかもしれないが、イトウもいろいろな層を泳いでいるのだろう。
『イトウ=底にいる』という思い込みは捨てよう。

必ずしも大きなフライが有効というわけではない

今回使ったゾンカーは長さ10cmくらいでレッドワイヤーが巻いてあり、重くてボリュームのあるフライ。
このサイズともなるとゾンカーが水を吸ってさらに重くなる。
そうなるとフライをターンさせるためのパワーが必要になるため、短くて重いスカジットヘッドを選ぶことになる。
重い(太い)スカジットヘッドは水面へのインインパクトが強くなるため、表層のイトウに警戒されるのではないだろうか。
スカンジ系のヘッドや軽いスカジットヘッドを使ったほうが水面へのインパクトは小さい。
(今回はスカジットヘッドでも釣れたがw)
表層を静かに、あるいは中層をゆっくり引いて釣りたい場合は、ライトなラインシステムであまり大きくないフライを使った方がいいこともあるのかもしれない。

リール、フライを真水で洗う

釣りが終了したらその日のうちに必ずリール、フライを真水で洗いましょう!
猿払川下流域、ポロ沼の水はかなり塩を含んでいます。
釣り後のリールやフライを濡れたまま放置すると、翌日にはサビが出ます。
海水対応してないリールだと最悪の場合、ドラグ内部に塩水が入ってリールをダメにします。
もう一度言いますが「釣りが終了したらその日のうちに必ずリール、フライを真水で洗いましょう!

これらを踏まえて…次の猿払釣行ではでかいイトウを釣りますよ~!
釣れるといいね!



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