フライフィッシング

【2019年・6月第4週】尻別川でまさかの人生初イトウ!

人生初のイトウ

2019年6月22日、札幌は夜の間、雨が振っていたようで天気はいまひとつ。
しかし尻別川流域の天気予報を見ると、釣りの条件としては悪くなさそうだ。

午前5時20分、第1目標としていた釣り場に着いたのだが、すでに1台車が止まっていた。
昨日は夏至で日の出時刻が4時を切っていたので釣り人の入渓も早いようだ。
仕方なくこの釣り場を諦め、場所移動。

ヤブやクモの巣の中を往くこと25分、やっと第2目標の釣り場に到着。
ロッドを継ぎ、いつもどおりのドロッパー式でウェットフライを2個セットする。
今日のタックル
・ロッド カスタムロッド 11ft 5/6
・リール オービス バテンキル
・ライン アトランティックサーモンショート

尻別川上流で雨が降らなかったのか、または上流域のダムが放水量を制限しているのかわからないが、水色は良く増水もほどんどない。
「今日は釣れそうな予感がする…w」

ヤブ漕ぎで汗をかいていたので、川に立ち込むとウェーダー越しの水の冷たさが気持ちいい。

まずは様子見でキャスティング。
今日は調子がよく、1投目からラインが綺麗にターンする。
「うーん、あれだけ下手だったのによくここまで投げられるようなったなぁ」

スタート地点から15mほど釣り下ると幸先よく30cmほどのニジマスがヒット。
小気味良い引きを味わっていると、手元でバレてしまった。

この範囲で本命だと思っているポイントで、ヘッドのシンクレートを変えて2回攻めたがさっきのニジマス1匹のみ。
「時間的にまだ魚の活性が低いのかもしれない」ということでいったんこのポイントを離れる。



尻別川のイトウとの運命の出会い

しばらく釣り下ると根掛かりし始めたので、ヘッドをシンク1/2に変更。
ここでふと閃きめいたものがあり前日にサーモンフック#8に巻いた大きめのフライにチェンジ。
「ここまで来たら魚は薄いかなぁ」と思いつつキャスティングを続ける。

対岸ギリギリにキャストし、フライを流すと「プルプル」という魚のアタリらしき反応。しかし食ってこない。
「ここは魚が付いているかな?」
何回かキャストしたあと2mほど下がると、また同じようなアタリ。しかし食ってこないw。
「ちょっと粘るか〜」

着水音を立てないよう丁寧にキャスティングし、何度も同じレーンを流していると「ドンッ」と強烈なアタリ!
同時にリールが逆転!この前のニジマスのような大物を予感させる引きだ!

出ていったラインを巻き取りリールファイトの体勢に入る。
一瞬、軽くなり「バレたか!?」と焦ったが、どうやら魚がこちらに向かって泳いできてるようだ。
「意外と小さいのかな?」と思った矢先、そいつは急に向きを変え下流に向かって走り出す。
出ていくラインを左手で押さえても止まらない!
強引に止めようとするとそいつは水面から50cmほどライズ!
「デカイ!」
このままではバレる…。
なるべく走らせないよう、暴れさせないようなテンションをかける。魚が力強く走ったらラインを出して泳がせる。

今までの魚とは全く異質の引き…まさか…?

これを何度か繰り返していると今度は全く動かなくなった。
「あれ?動かない…根掛かったか!?」
ラインテンションを保つために立てていたロッドを寝かせると、またギュゥウウっと走り出す!

「この引き、アメマスでもニジマスでもない!まさか…?」
このとき初めて頭に『イトウ』の文字が浮かぶ。

ゆっくりリーリングし、魚との間合いを詰めていく。
いぶし銀の魚体が確認できる距離まで来た。
「この距離で暴れない…今だ!」
左手にすばやくランディングネットを持ち、一気に寄せネットイン!

「よっしゃぁあああ! イトウだぁあああ!」

スケールで測ると尾叉長で57cm。
イトウとしては小型だが、人生初のイトウを大好きな尻別川で釣ることができた!!
愛でるように何枚も写真を撮る。
「なんと精悍でかっこいいのだ!」

ヒットフライは前述のサーモンフック#8。
いつもならヒットフライを公開するのだけれど、今回は秘密でw
しかし、今日はこのサイズのイトウで逆に助かったのかもしれない。

猿払川でかけたイトウはサーモンフック#6に巻いたストリーマーに来たのだが、針が小さすぎてハズレてしまったのである。
もしも今日のイトウがあのときと同じサイズだったら二の舞になっていただろう。

運命の働きを感じさせるイトウとの出会い(大げさだなw)

イトウを狙うために天塩川・猿払川に遠征し、総走行距離1000km以上走ってボウズだったのに、尻別川でイトウと出会えるなんてこんな幸運なことはない!

本当に今日はツイていた。
あの場所に先行者がいなかったら、前日にこのフライを巻いていなかったら、本命ポイントを3回攻めていたら…このイトウを釣ることはできなかっただろう。

しばらく眺めさせてもらったあと、頭を流芯の方に向けると元気よく深みに消えていった。
まぐれアタリにきてくれた優しいイトウに感謝「Thank you! Thank you!」

ほどなく釣りを再開すると脚が震えてることに気づく。
「あww 武者震いかな、これw」

尻別川のイトウをフライで狙う…それは茨の道になるだろうw

川釣りを本格的に始めたのは4年前で、当時はルアーをやっていた。
そのころから尻別川についていろいろと調べていたのだがイトウなんていないと思っていた。
もしいたとしてもイトウは幻の魚なんだから釣れるわけがない、と。

しかし去年の秋、尻別川でイトウを専門で狙っている釣り師に出会った。
そのイトウ釣り師は過去に96cmのイトウを釣ったことがあると話してくれたのを、今日のこの1匹が思い出させてくれた。

きっと尻別川にも1mクラスのイトウがいるはず。
ある時期が来たら…イトウ狙い専門で尻別川を攻める時が来るのかもしれない…。

次回も期待!!

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